電奏楽団 天門ぶろぐ

アニメやゲームの曲を作っている天門の個人ブログです

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回顧録(13)  オタクの群像(6)

そんなこんなで学生時代が終わりました。

師匠については前回記した通りで、
「部長」や松江名さんとはその後も交流を続けて行きました。

詳しいいきさつはわからないのですが、
部長は漫画家を養成する専門学校へ。
松江名さんはアルバイトを経て漫画家のアシスタントへ。

部長はたしか2作品ほど、漫画の出版社に原稿を直接持ち込みしました。
しかしあまり良い感触は得られなかったようです。

いろいろと稚拙な部分を指摘され、
プライドの高い部長は、自分の世界がわかってもらえない事、
またその世界に手を加えられてしまう事を
しきりにぼやき、嘆いていました。

負け惜しみにも聞えましたが、自分の作った世界に
過剰に愛情を注ぐ部長の本音だったかも知れません。

結局、紙の上に表現するための基本的な
絵の技術が追いつかず、頭の中で世界を構築する事のみに
熱中して満足してしまうために
その後、自然と漫画家の道をあきらめて行ったようです。


一方、漫画家のアシスタントに就いた松江名さんは
まさにプロの現場で直接、その空気を吸収。

「趣味」であったものが「仕事」になるので、自分が
満足しようが満足しまいが、やりたい事であろうが、
やりたくない事であろうが
おかまいなしにこなさないといけない、という
厳しい状況に身を投じる事になりました。


この二人の対照的な姿は、この世界に居る者として、
今でも思い起こされますね。

私もまもなくゲーム会社での生活が始まって
音楽が「仕事」になり、楽しかった「趣味」という気持ちが
叩きのめされる事になります。



つづく




[ 2010/02/23 10:06 ] 回顧録 | TB(-) | CM(2)
プロフィール

天門2009

Author:天門2009
1971年東京都生まれ。
本名:白川篤史
1990年PCゲーム会社
日本ファルコムに
サウンドとして入社。
12年を経て退社後、
minoriに籍を置きながら
新海誠監督の映像などの
アニメの音楽に従事。

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